IASTMとは?
-
IASTM(Instrument Assisted Soft Tissue Mobilization)は、専用の器具を用いて筋膜や筋肉、腱などの軟部組織をやさしく刺激し、動きをスムーズに整える方法です。
-
手では触りにくい深い部分まで効率よくアプローチできるのが特徴です。
腰痛に効果がある理由
-
筋膜や筋肉の癒着を改善
長時間の同じ姿勢や運動不足により、筋膜が硬くなったり癒着すると、腰に負担がかかり痛みの原因となります。
→ IASTMで癒着をほどき、動きを回復。
-
血流・リンパの流れを促進
滞った血液や老廃物を流しやすくし、組織の回復力を高めます。
-
神経の過敏を鎮める
筋肉や関節周囲の神経が敏感になっていると痛みを強く感じます。
→ IASTMのリズムある刺激が神経を落ち着かせ、痛みを和らげます。
-
動きの改善による負担軽減
動きの制限がなくなると、腰に集中していた負担が分散され、再発予防にもつながります。
IASTMの作用機序(なぜ効くのか?)
-
機械受容器の刺激
筋膜内のセンサー(ルフィニ小体・パチニ小体など)を刺激し、筋肉の緊張を調整。
-
固有感覚の改善
身体の位置感覚が整うことで、正しい姿勢や動作をしやすくなる。
-
微小な炎症反応による組織修復
適度な刺激で血流が増え、修復細胞が集まりやすくなる。
-
筋膜スライドの改善
硬くなった筋膜どうしのすべりを回復し、腰部の動きがスムーズに。
なぜステンレスのブレードを使うのか?
1. 感覚の違い(触診の精度)
-
手の感覚ではわかりにくい「筋膜や筋肉の細かい硬さ・ざらつき」を、ステンレスのブレードは増幅して伝えてくれます。
-
そのため、どこが動きにくいのか、どこに癒着があるのかをより正確に感じ取りやすいのです。
2. 効率的に刺激できる
-
手で深部を押そうとすると余計な力が必要で、施術者の負担も大きくなります。
-
ブレードは形状と重さを活かして効率よく組織に刺激を届けられるため、深い部分まで無理なくアプローチできます。
3. 均一でやさしい圧
-
手だとどうしても強弱にムラが出ますが、ブレードを使うことで「なめらかで均一な刺激」が与えられます。
-
結果として、クライアントさんの身体への負担も少なく、安全にケアできます。
4. 衛生的で安心
-
ステンレス製なので清潔に保ちやすく、繰り返し使用しても衛生的です。
手で触るのとブレードで擦る違い
-
手: 広い範囲を感じ取れる、温かみがある → リラックスや表層の調整に適する
-
ブレード: 細かい硬さを見つけやすい、深部まで届く → 動きの制限や癒着の改善に適する
👉 つまり「手とブレードは役割が違い、両方を組み合わせることでより効果的」です。
まとめ
-
IASTMは「硬くなった組織をやわらかくし、血流と神経の働きを整える」ことで腰痛を改善。
-
強い刺激ではなく、心地よい程度の圧で安全に行います。
-
一時的な痛みの軽減だけでなく、動きの改善や再発予防にもつながります。